首のこと⑥(頚椎症)
頚椎症
首の痛みや肩こり、手のしびれなどを引き起こす“頚椎症”には主に3種類あります。
① 変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)
頚椎や椎間板の変性によって生じた骨棘(こっきょく:骨の一部が骨端部付近で棘状に突出したもの)が神経や脊髄を圧迫する病気です。椎間板ヘルニアは青壮年者(主として、16歳から50歳くらいまで)に多いのに対して、変形性頚椎症は壮年期以降(お年寄り)に多いです。
神経の圧迫では、肩や肩甲部、上腕の神経痛や手指にしびれが現れます。
脊髄の圧迫では、痛みよりはむしろ、手足のしびれ、手指の使いにくさ、歩行障害などの症状が現れます。
② 頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)と頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)
頚椎(首の骨)は、7個の骨が積み木のように連なった構造をしています。骨の内側には脊柱管という神経の通るトンネルがあり、そこを頚髄が通っています。そして、頚髄から分岐している神経根が、頚椎の骨と骨の間から腕や手に向かって伸びています。
この頚椎が加齢などにより変形する病気を頚椎症と呼び、この頚椎症によってトンネルの中を通る頚髄が圧迫される病気を「頚椎症性脊髄症(頚髄症)」、首から手先までつながる神経根が圧迫されて症状が出現する病気を「頚椎症性神経根症」と呼びます。聞きなれない難しい病名ですが、頚椎ヘルニアなどと併せて、首の病気を代表するものです。